リーダー不在の解消(採用・育成)

経営者の課題(相談内容)

「リーダーが足りない」
「リーダーが不在」

  • テーマ:組織・人事
  • ステージ:発展期
  • 業種:サービス業

この経営課題について

経営者から聞くことの多い悩みのひとつです。リーダーの適任がいない、リーダーが育っていない、リーダーの年代が不足している等。この課題、そのままにはできないくらい優先順位の高い課題ですが、課題認識の薄い経営者の方も多いのが実状。事業承継された経営者の方は、『手を付けない』ことが多いですね。波風を立てたくないのか、何も言えない状況なのかわかりませんが『何もしない』ことは後退一直線です。組織の課題はここから手を付けるといっても過言ではありあません。

背景

このクライアントの課題は、『年功序列で選んだリーダーの力量不足』こんな状況でした。新規の支店開設のためエースである営業リーダーを投入したため、後釜のリーダーを年功序列で選んでしまったのです。そのため、新しいリーダーの実力不足が露呈。その後、チーム全体が停滞し、業績も落ち込みました。モチベーションの低下も著しいものがありました。

解決への糸口(コンサルティング内容)

この場合、思い切った若手抜擢を選択しました。年功序列型リーダーがストッパーになることを恐れたためです。年齢でリーダーを選ぶことは否定しませんが、実力がないリーダーの下で優秀な人材は育ちません。『自分が抜かされるかもしれない』という恐怖から無意識でストッパーをかけてしまうからです。それを防ぐために、今回のケースでは若手抜擢という案を選んだわけです。

次に新リーダーの教育については、「実践」の方にウェイトを置きました。<逃げない姿勢>と<最後まで考え抜く思考>の2つを実践できるようにしたのです。

<逃げない姿勢>とは、ある言葉を封印することです。それは、スタッフに説明する時やスタッフから質問された時に、「それは、会社が決めたことだから・・・」、「私が言っているのではなくて、ほら、上が言い出したことだから・・・」、「もう決まっているらしいから・・・」という発言を封印しました。リーダーは中間層ではなく、経営に携わる人と定義したのです。また、「管理職」という言葉を廃止し「経営職」としました。「リーダー会議」という会議名も「経営会議」に変えたのです。

<最後まで考え抜く思考>とは、経営の目標計画について必ず達成するための「考え抜く思考」を求めていきました。考え抜く思考を鍛えたのです。いかなる環境になろうとも、解決策、脱出案を考え出していくことをあるべき姿としました。そのためにも、常日頃から、シミュレーションすることを習慣化するようにしたのです。

・もし、このような状況になったとしたら・・・
・競合がこの領域に参入してきたら・・・
・価格競争がここまで激しくなったら・・・

などの想定問答集を書くことによって向上させていきました。誰の力も頼らず、書くことで鍛えていくのです。

結果

  • リーダーを若手抜擢することによって意識向上、業績も成長軌道に乗り20%以上の拡大継続中
  • リーダーの姿勢が変化。「今回の取り組みは、・・・なのだ」、「やるべき意味がある。なぜならば・・・」と経営に携わる人間として自分の言葉を持ち始めた
  • 自分で考え出せる力が身につき自立型リーダーへと成長。部署を任せられる経営の一員に