まじめに取り組んでも結果が出ない

「うちの会社は、まじめに取り組んでいるのに・・・」、「みんなまじめな人ばかりなのに・・・」といった声を聞くことがあります。景気が下降気味のときは、特にこんな声がもれてくるものです。ビジネスは、まじめにやっていれば結果が出る、わけではありません。まじめにやっていて、結果が出ていた時代があった、と言えばわかりやすいでしょうか。

詳細解説

【まじめに取り組む】ことは、必要条件ではない

では、どうして【結果が出ない】のでしょうか。【まじめに取り組む】ことと【結果】の因果関係がないということです。【まじめに取り組む】ことは、十分条件ではありますが必要条件ではありません。ということは、まじめに取り組むことにプラス【何か】が必要なわけです。

取り組む【方向性】を確認する

ひとつは、方向性が間違っています。
まじめに取り組む【方向性】が逆に向いていることがあるのです。どの方向に向けたらいいのか、の精査が必要なのです。経営において、進むべき方向性は、3つの要素が関係しています。【世の中の動き】、【他社の方向】、【自社の進む道】の3つの要素です。これが、同じ方向を向いているのかを確認していくのです。

【世の中の動き】

【世の中の動き】とは、顧客の動向、顧客のニーズ、顧客のウォンツ、という顧客の姿と、世の中の環境が大きくどこに向かっているのか、がカギになります。エネルギーに関しては、現在、石油から自然エネルギーへ移行している時代です。これが数十年続きます。石炭から石油に移行するときも50年ほどかかっているのです。この流れは逆らえません。省エネ、ナチュラル、シンプル、というキーワードが注目されています。

他にも、価値観の移動も視野にいれておきたいところです。脱石油、脱所有、リユース、リサイクル、リデュース、処分、整理、収納、などの流れは、はずせないところです。

【他社の方向】

【他社の方向】というのは、他社が市場に投入している商品・サービスの流れをつかむことです。商品・サービスの開発の裏側には、他社の思想が流れています。その方向性を予測することなのです。わかりやすい例をあげるならば自動車です。電気自動車に開発の舵を切ったところもあれば、ハイブリットを伸ばしている会社もあります。そうかと言えば、既存エンジンのレベルを高めることによる省エネで勝負する会社も存在するのです。こうした、他社の方向性を見極めることと、世の中の動きを重ねて見ると、どの会社が伸びていくかも予測可能です。

【自社の進む道】

【世の中の動き】と【他社の方向】を押さえた上で、【自社の進む道】を見極めます。「定番」を押さえた形でアレンジしていく、と言ってもいいでしょう。ようするに、定番の上に「オリジナリティ」が重なっていると考えれば良いのです。定番をはずすわけにもいきませんし、オリジナリティだけで勝負できるわけでもありません。こうした、押さえるべき部分を押さえながら、進む道を選択することが経営には優先的に求められます。今一度、社内でご検討ください。

コンサルティング・取り組み例

  • 顧客の変化を探るリサーチ部隊の設置
  • ブランディング戦略が功を奏しエリアシェアがアップ
  • 成長期の戦略を大胆に選択することにより組織が2倍に